2011年01月23日

純黒、冷黒、温黒

印画紙にはサイズの他にRCかバライタという素材の区別があります。
号数タイプか多階調かの区別もあります。
さらに、黒の調子を表す純黒、温黒、冷黒という種類があります。
まぁ単純に墨のような黒か、暖色系か寒色系か、と考えればいいのでしょうが。

この黒の調子、メーカーで品種ごとに決まっていますが、たとえば昔の「月光調」と呼ばれるのは三菱印画紙特有の冷黒の美しさをいいます。また、イルフォードのバライタ印画紙のように純黒と温黒の二種類が存在するタイプもあります。

で、さらにその黒の美しさを強調するのが現像剤の役目です。
つまり印画紙もさることながら、どんな印画紙現像剤を使うかで結果は温黒、冷黒の傾向がはっきりいたします。

特にバライタ印画紙。

たとえば純黒調のイルフォードのFBタイプをフジ コレクトールで現像するのとオリエンタル スーパーオリトーンCBで現像するのでは違いがハッキリと出るということなのです。

前者は純黒調、後者は冷黒調の現像剤。

たとえ純黒調の印画紙でも、冷黒調の液につけると冷黒味を帯びるのです。ただ、これはRCタイプではほとんど効果はありませんが。

ちなみに効果が目に見えて現れるのは、処理時間をちょっと長めにする必要があります。
その場合、セーフライトを消しておいた方が安全です。

どうぞ、お試しあれ。
posted by 暗室奉行 at 07:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月19日

バライタ印画紙との格闘、その3。

暗室作業とは一種の伝承文化です。

我々が日常で実践する暗室作業は、先輩方が培ってこられた技術の片鱗を、見よう見まねで実証し、失敗を経てから自分で身につけていくものです。しかし中には、間違っていると言えばオーバーですがちょっと拡大解釈し過ぎるものも中にはあるようです。

その典型が水洗の時間。

バライタの印画紙は水洗効率が悪く、長時間にわたって水洗しなければ変色するとか、印画紙に悪い影響が出るといったことが言われています。印画紙メーカーの説明書や古い参考書には確かに30分以上、というような記述もあったりしますが、これを縮めることが出来る薬品があるのはご存知ですね。

水洗促進剤。そうフジのQW。イルフォードやコダックからも出ていますが、これを使えば水洗時間はかなり短縮できるはずなのですが、これを使わずに現像、停止、定着という過程で特に定着と水洗に時間をかける方が多いように見受けられます。

日本人特有の長風呂の習慣のせいか、これに美徳を感じている人がほとんどですね。
しかし、これが印画紙によくないんです。
波打ち現象の原因の一つはこれによるものです。

水洗促進剤と聞けば、水道代の節約や時間効率を連想する人がいますが、それ以上に印画紙のために使う、と理解した方がいいでしょう。本来、水洗とは印画紙に残留したハイポの洗い出しが目的ですので、やみくもに長ければいい、という考えはちょっと違います。

短時間で洗い出てしまうのであれば、それに越したことはありません。

長く水に漬けることがなくなればカールもマシになるというもの。
だってその分、紙の繊維が傷む時間が減るわけですから。
水洗促進剤とバライタ印画紙はセットのようなものとお考え下さい。

私の師匠のプロ作家の方は、定着は規定どおりの時間、水洗促進剤につける時間は長め、水洗は短めという規律をずっと守ってこられています。

中には定着時間も水洗時間も規定の三倍以上という人の話を聞いたことがありますが、仕上がり具合をわざと悪くしておられるような気がしてなりません。

バライタ印画紙のカールはエッジ部分に残ります。
定着液に漬け過ぎ、水洗のし過ぎで紙の繊維が傷んだエッジはピンとするのは難しいでしょう。

長風呂は紙の健康にもよくないんです。
posted by 暗室奉行 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 裏ワザ・小ワザ・珍ワザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月18日

バライタ印画紙との格闘、その2。

DSCN2377aa.jpg

バライタ印画紙の仕上げ、実に厄介です。

いろんな人に意見を聞いてみました。フラットニング一つ取ってみても、いろんな方法があるということは、それだけ確固たるやり方が確立されていないということでしょうか。

では、その検証の一つとして、前の段階の「乾燥」を振り返ってみます。
乾燥は私が聞いた最も多い意見では、ある程度乾いてきてカールする直前になれば、アルミサッシの上に裏向けて置くというものでした。

表向けるとホコリがつくとか、カールが大きくなるという意見があります。
でも、裏向けにおいて写真に網の目がつかないのでしょうか。

いや、その点は大丈夫。
バライタの印画紙は露光面に向かってカールするものですから、さほど心配することもありません。

で、ここで注意したいのは乾燥に神経質になりすぎると、人は何度も印画紙を裏返したり表向けたりするものです。
実は、仕上げが波打ってしまうのはこれが一つの原因。
まだ水分を含んで重くなっている印画紙は重力で波打ちを発生させてしまいます。
それを表裏ひっくり返すことを頻繁にやれば・・・・・結果は想像の通りです。
とうことは、ある程度スキュィージーすれば放置しておく方が賢明なのでしょう。

また、同じカールを治すにしても、一定方向にカールしたものを治すほうが後々きれいです。
ただ、問題はカールの程度。
ひどくカールしたものより程度の弱いカールの方が、平面にしやすいのは見るからに明らかです。

話ではイルフォードのバライタよりも、フジのレンブラントの方がカールはしにくく出来ているとのことですが、それでもプリントするたびにカールの程度が違っています。これは何からくるものでしょうか。

そこにちょっと秘密がありそうですね。
ラベル:バライタ 印画紙
posted by 暗室奉行 at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 裏ワザ・小ワザ・珍ワザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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