2011年02月25日

パネル張り・・・黄色いシミとの闘い。

高校写真部の発表の定番、パネル張り。

言葉を聞くだけで、懐かしいな、と感じる方は多いでしょう。
暗室でプリントしている時には、何となく創作活動ではなく、理科の実験の延長のような感じがしたものです。
それがパネルに貼られて世間の日の目を見る、となれば別の気合のようなものが生まれてくるようです。

パネル張りは、ご存知ない方のために説明すると、水洗後の写真を濡れたまま木製の板の上に置き、周囲をホッチキスでいくつも留めて、裏に糊のついた化粧テープを巻きつければ一丁あがりの仕上げ方法です。印画紙がブカブカでも乾燥した後のピンとなった姿はちょっと想像しにくいところですが、私はバライタ印画紙が一番生きる仕上げ方法だと思っています。
(ちなみにRCタイプの印画紙はダメ。ブカブカのままです。)

ところで、暗室でプリント作業で苦心して仕上げたのはいいけど、このパネル張りで失敗する人、結構多いでしょう。周囲のトリミング具合を計算に入れなきゃいけない、とか化粧テープが破れたり剥がれたりした、なんてのはまだいい方です。印画紙そのものが部分的に黄色く変色したら、ショックはかなり大きいものでしょう。経験ありますのでわかります。

原因は木から出たアクだと言われています。
しかもこいつは乾燥した後しばらくして出現するから厄介です。
また、どの程度のものがどこに現れるか、というのもわからないので一種の賭けみたいですね。
最後の最後にこんな不確定なハードルがあるのはちょっと考え物です。

経験された方。
今もこれで悩んでおられる方。
何とかしたいでしょう。

パネル張りについての達人のノウハウは別の機会に写真付きでご説明するとして、この黄色いヤツの対処を達人たちはどうしているのか、私の取材した人々の話では・・・・・

@木面にニスを塗っておいて、アクをはじかせている人

Aパネル板と印画紙の間に糊で和紙を貼ってそれにアクを吸収させている人

の二人がおられました。

私も学生時代はこの黄色いシミに悩まされ、パネルを徹底的に水洗いする方法をとっていましたが、一歩間違えばパネルはバラバラになってしまいます。
また、水洗いを徹底的にしたからといって、アクが抜けるとも限りません。
逆にパネル板を濡らさずに印画紙の裏だけ水分を拭き取っておけば、意外によかったりします。

暗室で焼付けに苦労をしたのに、こんなところで心を折られるようなミスはしたくないものですね。
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2011年02月19日

マスコタンク

DSCN2053a.jpg


今日はお買い物の話をしてみたいと思います。

暗室デビューを志す方は私のように出来るだけ低予算ではなく、中にはいいものを最初に買っておいて、後悔することなく進めたい方も多いと思われます。
でも、ちょっと聞いておいて欲しい事があるんです。

それは・・・・・

ちょっと本格的に暗室を始めようとした方が、ある達人に現像タンクは何がいいのか、と相談を持ちかけたのです。で、その方は初心者ならノンベルト式がいいけど究極ならマスコタンクだな、と言うわけ。かなりやっておられる方なら、このご意見には賛成でしょう。私だってそう思います。

しかし、初心者の心理は複雑なものです。

(始めたはいいが、回数こなすうちにいいものが欲しくなったらそれはそれで後悔する。だからいいものを買っておこう。)

こんな感じでこの方、マスコタンクの方を買ったのです。(ちなみにこの方、女性の方でした)
何とかこの現像タンクを使いこなして腕を上げよう、と思ったのでしょう。考え方は正しいと思います。

で、買ってから作業をする中で最初の難関・・・・・フタが開かない。信じられないことにフタがビクともしない。申し訳程度についている説明書には、開きにくい場合はロウを塗れ、と書いてあります。

しかし、それはフタを閉める前に読まなきゃいけないことであって、閉めてからではどうにもなりません。メーカーの不親切ぶりを罵る前に、フタを開けなければいけないのです。

で、私のところへ、「何とかしてくれ」と電話が入るのですが・・・・・
ちなみに、マスコタンクのフタは「ひねる」のではなく「持ち上げる」感じでフタを外すのがコツです。
これは、機密性を高めるための構造で、ある程度はやむを得ない部分があります。
このタンク、実は随所に工夫があって、上から見れば解りますが、リールの構造も間隔が不均等です。それにより液の対流のバランスがよくなって、ムラが起こりにくいのです。

そして次の難関・・・・・35mmフィルム2本分のタンクでしたので、1本だけフィルム現像する時には1本だけリールを入れればよい、とこの方は考えていたようです。

ダメ、絶対にダメ!
だって、上から見たらリールが丸見えだもん。
せっかくのフィルムがパーになっちゃいます。

うーん・・・・なぜ、こんな不親切設計のタンクがいいのでしょうか。

この話、実はプロ機材と一般の商品の区別から始めなくてはなりません。

一般の商品というものは、初心者からベテランまで幅広い層のユーザーを見込んで作られています。また、説明書も一応、誰が読んでも解るように心がけているようです。
そのため生産量も比較的多く、結果、値段も手ごろな物が多いです。

しかし、プロ機材というのは決してユーザー寄りではありません。最高水準の仕上りを求める方に使って頂きたい、その為には使いにくさや工夫はユーザーの方に克服して欲しい、というのがプロ機材の定義です。

これは何も現像タンクだけに限ったものではありません。
最近では「・・・・プロ」と名称がつく商品がやたらと多いですが、それは単に上位クラスを意味する場合もあります。でも、本当のプロ向け商品は初心者には使いづらいものです。

買い物は本来は自由ですが、初心者の方が使われると知れば、私なら間違いなくマスコタンクは勧めていません。
わずかなムラの話や液の対流の話、保温性能の話など初心者には無縁のものだからです。
まずは、正しく巻き込んで現像の楽しさを知ること。
プロ機材に手を出すのはこの次のステップですから。

ここで覚えておきたいのは、プロ機材と一般商品の区別。そして、達人の意見が本当の意味で自分に適しているかどうか、という点。

難しいことを乗り越えるのも趣味ですが、まずは楽しまなきゃ。








posted by 暗室奉行 at 23:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 豆知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月17日

フジ バライタ印画紙、レンブラントの扱い

フジのバライタ印画紙、レンブラントV・・・・・

比較的、新しいタイプの印画紙ですが、おそらく人によって好みが分かれるところでしょう。
従来のバライタの感覚を持っている方はちょっとした思考の柔軟性が問われるところです。

まず、RCタイプの印画紙の場合は現像液に浸して5秒が目安となります。
この5秒前後で像が出始めるのが理想でしょう。
5秒という時間は、頭の中で数えると多くの人は早めになる癖(3.5〜4.5秒)があるみたい。

それはともかく、バライタ印画紙の場合の多くは像が30秒前後で現れます。

しかしレンブラントの場合は、感度が高めなのかほぼRCタイプに近い感じで像が現れます。
ちょっと調子が狂います。

私がこの印画紙で写真展に向けて大全紙をプリントしていた時、何枚かプリントするうちに異変に気づきました。
全くハイライトが出ていないのです。
全体的にトローンとしたような感じかなぁ。

原因はある程度わかっていました。
大全紙ですので当然、露光時間が長くなりますので、その間セーフライトの環境下に印画紙がさらされるわけですが、これが問題なのです。

まず、一般の多階調用のセーフライトでは通用しません。
カブリが生じます。
ましてや長時間となると・・・・・

バライタ紙特有のカール癖が少なかったり、決まった時は見事な仕上りになってくれるんですけどねぇ。
現像時間で「押す」こともままなりません。

結局、昔の感覚しかなかった私は、耐えきれずにイルフォードのFBタイプにしましたが、大全紙を百枚近くロスにしてしまいました。
なんとかなるだろうと試行錯誤を色々繰り返しましたが、結果を出せなかったのです。

もったいない・・・・・

未だに彼(レンブラント)との決着はついていません。

セーフライトガラスの種類を代えて露光時間を短くする、そして現像で押すことも考えない、まずはこの条件を考慮しなくてはなりません。

しかし、いつかこれをクリアする日がくるのでしょうか。
posted by 暗室奉行 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 失敗分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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