2011年01月28日

フィルムの乳剤面のキズ

フィルムのキズ、嫌なものです。
お気に入りのカットであればあるほど、キズは些細なものでも気になってしまいます。
ただ、ベース面についたものなら「鼻の脂」をすり込むという、衛生的ではないけど方法があります。

しかし乳剤面のキズ、これは何とかしようにもどうにもならないのが通例。
さて、どうしたものか。

フィルムを捨てる覚悟があるなら、やってみたいのが次の方法。
※ただし、あくまでも自己責任でやって下さい。この方法で成功した事例が複数あったので掲載しているまでです。

1.まずぬるま湯を用意し、洗面器に入れます。
2.そこにキズのついたネガを入れ、清潔な「指の腹」でキズの箇所を重点的にモミます。
3.乳剤が軟らかくなり、キズは目立たなくなります。(取り扱いに注意)
4.フジ、ドライウェルに浸し、そのあとで乾燥させます。(この時、スポンジでぬぐわないこと)

これはモノクロネガだけでなくカラーもOKですが、プリント後にスポッティング処理をするよりもキズははるかに目立ちません。

これ、実際にプロの現像担当者から聞いた話。
かなりの裏ワザです。

ラベル:フィルム 乳剤
posted by 暗室奉行 at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 裏ワザ・小ワザ・珍ワザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月25日

多階調印画紙・・・どう扱う?

ちょっとお尋ねします。

暗室モノクロ写真を始めた人は、誰に教えてもらったんでしょうか。
学校の先生?
クラブの先輩?
近所のベテランのおじさん?

・・・とまぁ、教えてくれる人は色々いると思うけど、ある時代からちょっと風向きが変わってきましたね。自信を持って教えられる指導者の方が少なくなった感じがするのは気のせいでしょうか。

原因は「多階調印画紙」の存在でしょう。

つまり、指導してくださる方が総じて高齢の方なら、彼らが現役の時代にはそんなのなかった。2号、3号といった号数紙がアタリマエの時代に、せっせと素晴らしいプリントを作っておられたんですね。
出来が素晴らしいかどうかは別として、私もそうでした。

で、私が初めて多階調印画紙と対面した時は正直、どう扱っていいのかわかりませんでした。
階調をフィルターで自在に操れる、ということはベースになる階調が何なのか、を知らなければなりません。頭、あんまりよくないので混乱いたしましたわ。

で、結局思いついたのは、重ね焼きとでもいうのか、複合焼きなのかは知りませんが、要するに5号である程度の輪郭や力強さを露光しておき、そして0号相当でうっすらとトーンを加えるというものでした。手順にしますと・・・・・

@ 5号のフィルターを使って15秒ほど露光をかける。
A 0号のフィルターを使って5秒ほど露光をかける。
B ノンフィルターで1秒の露光をかける。

こんな感じです。(数字は任意です。5号で20秒の場合もありますし、0号で3秒の場合もあります。)

あとは、覆い焼きや焼き込みの箇所をそれぞれのフィルターで補う程度です。中間の号数のフィルターはほとんど使ったことがありません。

なんでこんなことを思いついたか、と言えば、たとえば鉛筆でデッサンをするような場合、輪郭をある程度描いてから、凹凸や光の当たり具合を見て強く描いたり消しゴムで薄く消したりしますよね。あれの手順を再現してみたのです。

号数が高いほど、露光時間をかけなければ像は出てきません。
なので、5号での露光の基準はシャドー部で「これ以上、つぶれたらダメ」の一歩手前ぐらいを目指して時間を計ります。あとは0号のフィルターで少しずつ露光をかけていきます。

ちょっとイメージしてみますと・・・・・・

5号で15秒露光

t-00002.jpg

0号で5秒露光

t-00003.jpg

で、出来上がったのがこれ

t-00001.jpg

あとは覆い焼きや焼き込みで調整が必要ですが、基本はこんなところです。で、ノンフィルターで1秒というのは全般の調子を整えるために使います。

ちなみに、ノンフィルターでは2号相当だから、これをベースに強調したいところだけ4号で手を加えるというのもアリでしょうね。

まぁ、暗室モノクロに限らず、写真は宗教のようなもので誰の何が正解というわけではないですから、理解しやすいように自分で工夫しましょう。


ラベル:印画紙 多階調
posted by 暗室奉行 at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 裏ワザ・小ワザ・珍ワザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月19日

バライタ印画紙との格闘、その3。

暗室作業とは一種の伝承文化です。

我々が日常で実践する暗室作業は、先輩方が培ってこられた技術の片鱗を、見よう見まねで実証し、失敗を経てから自分で身につけていくものです。しかし中には、間違っていると言えばオーバーですがちょっと拡大解釈し過ぎるものも中にはあるようです。

その典型が水洗の時間。

バライタの印画紙は水洗効率が悪く、長時間にわたって水洗しなければ変色するとか、印画紙に悪い影響が出るといったことが言われています。印画紙メーカーの説明書や古い参考書には確かに30分以上、というような記述もあったりしますが、これを縮めることが出来る薬品があるのはご存知ですね。

水洗促進剤。そうフジのQW。イルフォードやコダックからも出ていますが、これを使えば水洗時間はかなり短縮できるはずなのですが、これを使わずに現像、停止、定着という過程で特に定着と水洗に時間をかける方が多いように見受けられます。

日本人特有の長風呂の習慣のせいか、これに美徳を感じている人がほとんどですね。
しかし、これが印画紙によくないんです。
波打ち現象の原因の一つはこれによるものです。

水洗促進剤と聞けば、水道代の節約や時間効率を連想する人がいますが、それ以上に印画紙のために使う、と理解した方がいいでしょう。本来、水洗とは印画紙に残留したハイポの洗い出しが目的ですので、やみくもに長ければいい、という考えはちょっと違います。

短時間で洗い出てしまうのであれば、それに越したことはありません。

長く水に漬けることがなくなればカールもマシになるというもの。
だってその分、紙の繊維が傷む時間が減るわけですから。
水洗促進剤とバライタ印画紙はセットのようなものとお考え下さい。

私の師匠のプロ作家の方は、定着は規定どおりの時間、水洗促進剤につける時間は長め、水洗は短めという規律をずっと守ってこられています。

中には定着時間も水洗時間も規定の三倍以上という人の話を聞いたことがありますが、仕上がり具合をわざと悪くしておられるような気がしてなりません。

バライタ印画紙のカールはエッジ部分に残ります。
定着液に漬け過ぎ、水洗のし過ぎで紙の繊維が傷んだエッジはピンとするのは難しいでしょう。

長風呂は紙の健康にもよくないんです。
posted by 暗室奉行 at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 裏ワザ・小ワザ・珍ワザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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