2011年03月10日

ホコリ対策を考える

暗室の重要なポイントはまず遮光、水廻りの便利性、設置場所の安定性などが挙げられますが、意外と忘れがちなのがホコリ対策です。
人が動く限りホコリが舞い飛び、それは露光中の印画紙の上に舞い落ちて大なり小なりの害を与えてしまいます。
完全にホコリのない場所選びなんて本来はムリな話。
まぁ、付いてしまったらスポッティングで何とかするしかないんですけど・・・・・

暗室の環境は人それぞれで違うけど、すきま風が入らない環境ならホコリの点ではそう大きな問題にはなりません。
ただ、換気対策としてエアクリーナーなどを稼動させた場合、エアの噴出し口付近にホコリっぽい場所があるとこれは問題です。
また、意外とこのエアクリーナーは部屋の臭気を循環させることで、人によっては気分が悪くなるようで考えものです。

話を戻しまして・・・・・

ホコリはどうしても重力で下に落ちてくるんだけど、厄介なのがネガに付着したホコリ。

特にガラス付のネガキャリアを使用した場合、ほぼ確実にホコリを挟んでしまいます。
これを取り除くのは面倒な話です。
特に両面ガラスのキャリアの場合、上のガラスの表裏、下のガラスの表裏、さらにはネガの表裏と三箇所六面のホコリを払う必要があります。

ちなみにガラス付のネガキャリアを使うメリットが解らない、と言う方のために解説しておきますと、ガラス付の方が放射熱によるネガのカールが起こりにくく、
それ故、周辺部へのピントの廻り方がガラスなしに比べて精度が高い、というわけです。ただ、問題点はガラスを挟んだ分、解像度が少し落ちるのと、ガラス面にキズが付かないように管理する必要があることと、ここでいうホコリ対策が必要になるのです。
いや、値段も少し高いんですけどね。

さて、多くの方が焼付けの際に、ネガやガラスをブロアでシュッ、シュッとしてから始められるようですが、作業するうちにホコリの害が出てくるのはよくあることです。
水洗を終えたプリントが乾燥してから、イトミミズのような白い痕跡を見つけたら、もうスポッティングする気にもなりません。

何とかならないものでしょうか。

どうにかしたいですよね。

どうにかしたいのは次の二点。

1)付いたホコリを効率よく取る方法

2)ホコリを寄せ付けないガラスキャリアに出来ないか


1)の場合、ブロアでマメに取るのが面倒な方は、昔の粘着式のロールになったレコードクリーナーを使ってみることをお勧めします。でも、探すの大変かなぁ。

2)の場合、完全にはムリだけど、処理した後にホコリを寄せ付けにくくする膜を形成する業務用の特殊クリーナーがあります。私はこれでガラス部分を拭きました。
ちょっと紹介しておきます。キンダイケミカル株式会社の「ブルーブライト」という商品がそれです。ある意味、究極のクリーナーだと思いますが。

http://www.kindai-chemical.jp/bluebright.html 
   
プリントが出来上がったあとのスポッティング処理は出来ることならやりたくないものです。
暗室作業にのめり込んでいくうちに時間、忍耐、そしてホコリと戦うことを自覚していくのは誰もが経験することです。

出来ることならホコリは勘弁して欲しいところですね。






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2011年01月26日

好奇心から必然へ

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ここに暗室初心者の方は何人ぐらい来られるのでしょう。

いや実際、興味はあるんだけど、どうかな、という中毒者予備軍は結構いらっしゃるでしょうね。
はめて差し上げましょうか、どっぷりと。
いえ、決してワナにかけようとしているんじゃないんです。

好奇心でこのサイトを読んでいただくには何の害もないでしょう。ただ、それを実践に移すとなると話は別です。

いざ自分も暗室モノクロをやってみようと思えば、まず仲間、これが必要だということはどこかで書きました。でも、仲間がいて技術指南を身近な誰かが買って出てくれるとしても、これだけで続けるのは難しいものです。

だって、ちょっと撮ってみました、ちょっとプリントしてみました、が何年も続けられますか?
考えればわかることですが、プロセスを楽しむだけの好奇心本位では続きません。
辞めていった人の姿もずいぶん見てきましたから。
だったらデジタルの方が効率がいい、という結果は目に見えてます。

では、「仲間」の他に続けられる要素は何があるか、モチベーションを高めてさらにドップリ漬かるには何が必要かを考えてみましょう。

まず、撮影テーマ。

デジタルデータと違って、映像の形がモノとして残る、これは貴重なことです。
フィルムで撮った写真って簡単に捨てられますか?
捨てられないからこそ増えてたまっていくのでしょう。

ためて意味があるのはお金、いやいや「記憶」。

最初の頃は近所をブラリでよかったけど、次に撮る物がなくなってしまえば飽きがくるのは早いものです。
せっかくやり始めたんだから、とことん突き進みたい、、、そうでなければ暗室までつくり、引き伸ばし機まで手に入れた意味がありません。

フィルムにしておきたい映像。
フィルムが色あせても、思い出して写真にしてみたくなる映像。

子供の頃に遊んだ場所の風景なんてどうでしょうか。
今でも変わらない土地。学校、公園、ジャングルジムやブランコ、、、、、
思い出にしたくなる、感情移入がすんなり出来る映像、それはフィルムという形でこそ、価値があるというもの。
暗室で篭城して時間を過ごすにしても、、、、、浸りたい想いがきっと出てくるはず。

私は尼崎市の下町で育ちました。
マニュアルのフィルムカメラを手に、気になった場所を撮ります。
商店街、公園、校舎の裏門など、昔のままの風景がまだまだ残っています。
しかし、次に来た時に残っているかどうかは誰も知りません。

だからこそ残すのです。フィルムで。

錆びたものだから撮るのでも、客観的に見て古いから残すのでもありません。匂いや笑い声がよみがえるモノだから残すのです。

やがて何年も経ってホコリだらけになり、細かいキズがたくさんついた古いフィルムでも、きっと時間をかけてプリントをするはず。

そんな愛情たっぷりの環境で生まれた写真は粗末にされるはずがありません。
仲間の次に大切なもの、それは愛情を注げる写真の対象ではないでしょうか。

何を撮るのも自由なんだけど、撮影テーマは貴方自身のルーツであって欲しいと私は思います。
そして、写真に金銭以外の価値をつける場所が暗室だとも思います。

できれば、当時のBGMなんかも用意して・・・・・

そうして好奇心は「必然」へと変わってゆくのです。



タグ:好奇心
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2011年01月13日

暗室仲間はどこに?

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暗室作業は楽しそう。
そりゃ楽しいです。
苦しみもあります。
それでも、乗り越える楽しみもあります。

だけど・・・・・・・・

暗室のモノクロにのめり込んでみたい、という人は潜在的にかなり多いことと思います。
引き伸ばし機を手に入れて、暗室環境を確保して、・・・

だけど、趣味として続ける上で一番必要なもの、友達、悩みを共有できる仲間がいないんです。こんな心の声、おそらく皆さんお持ちでしょう。

わかります。

ちょっと、やってみたい気もするけど、続かないだろうなぁ、、、その根底にあるのが仲間がいないことではないでしょうか。

では、どうすれば仲間が出来るのでしょう。まさかアマゾンで仕入れるわけにもいかないし。

私が時折、写真講座で必ず話す中で写真の上達の秘訣の三要素というのがあります。一つは誰よりもたくさんシャッターを切ること、二つ目はたくさんの作品(秀作)を見ること、そして三つ目は自分と同レベル以上の写真仲間を持つこと、というものです。

シャッターを数多く切る、というのは説明するまでもないでしょう。切ったシャッターの数だけ体に染み付いて覚える経験は本で覚える知識よりも数段、腕も考えもアップいたします。

たくさんの作品を見る、というのも数見ているうちに違いがわかってくるということですね。

では三つ目。写真仲間、これは人と話してみて初めて理解できることがあるということ。実はこの部分が一番大きいのです。人との出会いは写真に限らず人生が変わります。知識の吸収だとか、一緒に楽しむというような言葉でひとくくり出来るものではありません。

最近、デジタルの世の中になって写真クラブの内容も変わってまいりました。今でも、デジタルについていけない人はたくさんいます。

それでも最初は「デジタルなんて写真じゃない。」と否定していた人たちも、いつの間にかデジカメ買って、という流れになるのは、仲間が段々いなくなるからでしょう。そうなれば、寂しいですから苦労してでも覚えたくもなります。

ところで、暗室モノクロ写真はもっとメジャーになってもいいのに、と私は前々から思っていました。写真の中でも中毒性が高く、楽しい世界なのは間違いありません。なのに、以前から少数派民族なのは仲間作りの環境がカラーやデジタルの世界ほど整っていないからだと想像するのですが、いかがでしょう。

こんな話をすれば、昭和40年代を連想してしまいますが、写真一枚を肴に一杯やりながら延々議論を交わした先輩方をうらやましく思ってしまいます。思えば、そういった人たちに場を提供し、面倒を見てきた優良なカメラ専門店は今、次々と姿を消していきつつあるのが実情です。つらいですね。

デジタルにせよ、フィルム写真にせよ、カラーの世界ならカルチャー教室もありますし、比較的に手軽な為、仲間も見つけやすいでしょう。しかし暗室モノクロ組はコアであり、カルチャーなどの陽のあたらない分野です。確かに大学のサマースクールなどのワークショップはあるものの、言ってみれば「習い事」の域を出るわけではありません。

では、暗室モノクロ組が仲間と出会える方法は、、、、それはギャラリーなどでお知り合いになる方法があります。銀塩モノクロの写真展をギャラリー情報で仕入れて見に行き、趣向の合う人なら話しかける、この方法が一番手っ取り早い気がいたします。写真展だって、多くの共感者を求めるために開催するのでしょうから。

実は、私が「暗室奉行」などと名乗ってこんなサイトを立ち上げたのも、この部分を何とかしたかったからなのです。やってみたいけど無知なままだと相手にされないかもしれないから、と考える人たちのために一役買いたかった、、、。

中毒性の高い写真趣味、暗室モノクロ写真。されど、どれほど知識があっても、どれほど立派な機材をそろえても、仲間のいない環境には勝てません。

量販店でもアマゾンでも決して買うことの出来ない「仲間」「友達」。
今後、暗室モノクロ写真を目指す方が最も大切にしなければならないテーマでしょう。

タグ:仲間 友達
posted by 暗室奉行 at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 暗室について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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