2011年02月09日

本番プリントのデータ取り

初心者の方は、一枚のプリントを仕上げるまで結構、苦労をしておられるでしょうね。

試し焼きでデータを取って、とりあえず一枚プリントしてみる。
そして、トリミングや覆い焼き、焼き込みの必要な場所を確認してさらにデータを取る。

とまぁ、こんな具合の作業を繰り返していくのではないでしょうか。
でも、時間切れで次の機会に持ち越す場合や、引伸ばしサイズが変わる場合はどうしてます?

何かにデータのメモを残していても、おそらくそれは役に立たないでしょう。

後日、同じサイズでプリントするにしても処理液の温度が0.5℃変わるだけでデータも変わるというもの。おそらくイメージは変わっています。で、一からやり直しですか・・・?うーん、これでは効率がよくありませんねぇ。

そこで、お勧めしたいのがデータを%で残すやり方。
これ、実際に芸術系などの教育機関で教えられているやり方なのだそうです。

たとえば全体の標準露光が30秒として、そこを100%とするなら、覆い焼き箇所が24秒だとしたらそこは80%となります。焼き込み箇所があって、そこが36秒なら120%でしょうか。

通常は具体的に「秒」で覚えてしまいがちですが、プリント作業の最終の習慣にすれば案外、出来ると思います。

せっかく苦労してプリントしたのです。途中で次回に持ち越す場合、この方法はいいですね。
posted by 暗室奉行 at 08:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 初心者向け技術解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月03日

ベタ焼きプリントについて

引伸ばし機で本番のプリントをする前の段階の作業に「ベタ焼き」というのがあります。
フィルムを印画紙の上に乗せて光を当てるだけで一丁あがり、の芸も何もないプリントのことです。
別名で「コンタクトプリント」とか「密着」と呼ぶんだけど。

今ではカラーでもフィルム現像に依頼すると一覧プリントと呼ばれるものが付いてきます。
基本的にはあれと同じです。

ちなみに6コマカットにしたものは「棒ベタ」、36枚(24枚)を一枚に収めたものは「ワンシートベタ」と呼びます。

で、ベタ焼きは「これからプリントする候補選び」のオーディションのような感じがありますが、ここで誰もに共通するクセを自覚しておきたいと思います。

何ですか、それ・・・・・?

つまり、ベタ焼きでこれからプリントするカットを選ぶ時、その選者の目というものは「デザイン優先」で決めてしまうクセがあるということ。
パッと見で目立つカットに、まず手が伸びるものです。
となりのカットの方が内容があったにもかかわらず、です。

よくあることですね。
ちょっと気をつけておきましょう。

ま、それはいいとして。
初心者の方にぜひ覚えておいて欲しいのは、引伸ばし機にかけるカット選びだけでベタ焼きをしないこと。他にも使い道はあるんです。

ネガの保存の時に一緒にアルバムに綴じておけば解りやすい、、、、それもあります。

もっと重要なのは、撮影の行程を振り返る反省材料にして欲しいということです。
撮ったものが一覧でわかる、順番でわかる、ということは自分が被写体を追いかけた足跡がそのまま現れているのです。アタリマエですが。

ここで考えて欲しいのは、

「なぜ、ここで何カットもシャッターを切っているんだろう。」
「なぜ、これとこれの間のカットを撮っていないんだろう。」
「もっと上から(下から)、近づいて(遠ざかって周囲を入れて)撮った方がよかったかも。」
「ここは天気がよければ(悪ければ)どんな写真になっていたんだろう。」

・・・・・・・・・・・・

そうして全体を見ることで、撮影時を振り返ることによって次回への課題として欲しいんです。
何が気になってシャッターを何度も切ったのか、その時の気持ちを思い出すのは重要なことです。

もっともこれはデジタルでのサムネイル表示にも言えることですが。

以上、ベタ焼きプリントで見るべきところ、のご案内でした。
ラベル:ベタ焼き
posted by 暗室奉行 at 21:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 初心者向け技術解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月16日

フィルム現像剤の使い分け

フィルム現像は、言ってみれば印画紙によるプリントと違って実に地味な作業です。
薬液を注入すると最後、タンクの蓋を開けるまでわからない為、過程の楽しみがほとんどない単純作業です。

しかし、これをいい加減にやっているとプリントの時に影響が大きいので液温や処理時間は必ず守るようにしたいものです。

ところで、現像剤には種類があるのはご存知ですか?
そして、それらの使い分けはご存知ですか?

初心者の方はおそらく先輩から言われた通りに現像剤を溶いて、処理に向かうものでしょうけど、現像剤は種類によって性格がことなります。

たとえば、コダックのT-MAXというタイプのフィルムはT-MAXデベロッパーという現像剤で処理するのが通例ですが、これを別の現像剤で処理することも可能なのです。もちろん、フジやイルフォードなどのフィルムについても同じです。

問題は、現像剤を変えてやるとどんな違いが現れるのか、ということですが。。。
興味ありますね。少し解説いたします。なお、共通データとしてフィルムはコダックT-MAX100を使ってメーカーの推奨条件で処理しています。(実物プリントをスキャンしました)

参考1.フジ ミクロファイン使用

サンプル5-1.jpg

参考2.コダック T-MAXデベロッパー使用

サンプル6-1.jpg

参考3. コダック エクストール使用

サンプル7-1.jpg

どうですか、一目瞭然ですね。

一般的にフィルムは低感度のタイプのものは階調が豊富に現れる傾向にあります。ただ、階調が豊富ということはメリハリがつきにくい写真になる傾向も併せ持つということです。(一部に例外もあります)

一方、高感度フィルムはメリハリが強く出る傾向があり、その分、階調が犠牲になりやすくなります。

そして、現像剤はそれぞれの弱点を補う目的で種類が作られています。参考写真ではミクロファインを使用した方はメリハリが付いて目立ちますが、階調豊富とは言い難いです。
また、エクストールを使用した場合、十分なメリハリが見られません。となればここでバランスが取れているのはT-MAXデベロッパーということになりますが、これは単に正解探しというものではありません。

もしも、どんよりとした曇天でメリハリのない物を撮影しなければならない時、このT-MAX100しかなかったら、ミクロファインで現像すると見栄えがよくなりますよね。
さらに、強烈な光の強い屋外ならT-MAXデベロッパーか、エクストールでギラツキを抑える方向に持っていくことも考えられます。

つまり、フィルム現像剤の選択の決め手は、撮影条件とフィルムの性格を理解した上で決断するものなのです。このように、色々とフィルムと現像剤の相性を探るのも楽しいでしょう。ただ、将来に個展を考えている人はフィルムや処理内容を極端に変えずに統一するほうが無難ですが。


ちなみに現像の処理条件や時間はメーカーのページを参照して下さい。

posted by 暗室奉行 at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 初心者向け技術解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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