2011年01月16日

フィルム現像剤の使い分け

フィルム現像は、言ってみれば印画紙によるプリントと違って実に地味な作業です。
薬液を注入すると最後、タンクの蓋を開けるまでわからない為、過程の楽しみがほとんどない単純作業です。

しかし、これをいい加減にやっているとプリントの時に影響が大きいので液温や処理時間は必ず守るようにしたいものです。

ところで、現像剤には種類があるのはご存知ですか?
そして、それらの使い分けはご存知ですか?

初心者の方はおそらく先輩から言われた通りに現像剤を溶いて、処理に向かうものでしょうけど、現像剤は種類によって性格がことなります。

たとえば、コダックのT-MAXというタイプのフィルムはT-MAXデベロッパーという現像剤で処理するのが通例ですが、これを別の現像剤で処理することも可能なのです。もちろん、フジやイルフォードなどのフィルムについても同じです。

問題は、現像剤を変えてやるとどんな違いが現れるのか、ということですが。。。
興味ありますね。少し解説いたします。なお、共通データとしてフィルムはコダックT-MAX100を使ってメーカーの推奨条件で処理しています。(実物プリントをスキャンしました)

参考1.フジ ミクロファイン使用

サンプル5-1.jpg

参考2.コダック T-MAXデベロッパー使用

サンプル6-1.jpg

参考3. コダック エクストール使用

サンプル7-1.jpg

どうですか、一目瞭然ですね。

一般的にフィルムは低感度のタイプのものは階調が豊富に現れる傾向にあります。ただ、階調が豊富ということはメリハリがつきにくい写真になる傾向も併せ持つということです。(一部に例外もあります)

一方、高感度フィルムはメリハリが強く出る傾向があり、その分、階調が犠牲になりやすくなります。

そして、現像剤はそれぞれの弱点を補う目的で種類が作られています。参考写真ではミクロファインを使用した方はメリハリが付いて目立ちますが、階調豊富とは言い難いです。
また、エクストールを使用した場合、十分なメリハリが見られません。となればここでバランスが取れているのはT-MAXデベロッパーということになりますが、これは単に正解探しというものではありません。

もしも、どんよりとした曇天でメリハリのない物を撮影しなければならない時、このT-MAX100しかなかったら、ミクロファインで現像すると見栄えがよくなりますよね。
さらに、強烈な光の強い屋外ならT-MAXデベロッパーか、エクストールでギラツキを抑える方向に持っていくことも考えられます。

つまり、フィルム現像剤の選択の決め手は、撮影条件とフィルムの性格を理解した上で決断するものなのです。このように、色々とフィルムと現像剤の相性を探るのも楽しいでしょう。ただ、将来に個展を考えている人はフィルムや処理内容を極端に変えずに統一するほうが無難ですが。


ちなみに現像の処理条件や時間はメーカーのページを参照して下さい。

posted by 暗室奉行 at 14:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 初心者向け技術解説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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