2011年01月12日

原因不明の白点

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あれはちょうど今日のような、冬の寒い日の出来事でした。

印画紙現像液の性格を調べるためにパートナーと一緒に実験を繰り返している時に、それは起こりました。

作業が終わり、片づけをしようと水洗後の写真にスキュィージーをかけ、乾燥させていると、ある特定の絵柄のプリントだけが、一面に白い斑点を帯びているのです。不思議なのはその前後のプリントにはそのような現象が見られないし・・・、おかしなものです。

まず、疑ったのは水洗。サビか何かだろうとしばらく水を流しっぱなしにしていましたが、どうもそれらしき様子はありません。原因がまったくわかりませんでした。

誰に聞いてもいろんな答えが返ってくる為、しばらくは謎のままでした。

そして、その謎もわからないまま数ヶ月が過ぎ、ある高名な写真家の先生K氏から、ある相談を受けたのです。その先生はモノクロのワークショップを主催しているが、このようなことは初めてだ、と切り出し、私にあるネガを見せました。

見るとネガに黒いコールタールのような斑点がいっぱい散らばっており、現像した本人もショックを受けているとの事でした。

先生の話では、その生徒さんの前後にも同じ作業をした方が数名いて、その方々のネガはなんともなかったとの事、何が起こったのでしょう。。。。。。

こういう時、メーカーに聞いても大概は納得のいく返事は返ってきません。クレームを恐れてのことでしょうが、「恐らく・・・・でしょう」的な回答がほとんどです。まぁ、もともとアテにしていませんから。

で、私は自分の持つネットワークに数度、確認したら、ほぼこれで間違いない、という結果が出ました。しかも、私が暗室で実験していた時と同じ原因だったのです。

実は、私が印画紙現像をした時、そしてK氏の生徒さんがフィルム現像をした時、ともに薬品は粉剤で、しかも溶いてから時間がほとんど経っていないものでした。つまり、液が安定しないまま使われたのです。

K先生に確認したら、やはりその生徒さんの時は新液を溶いた直後だったとのことでした。私が鑑定を依頼したH氏によれば、預かったネガをプリントしてみたら、かなり濃度がのっていて1号でプリントしても肉乗りがすごく、しかも濃度にバラツキがあるとのことでした。うーん、納得。

現像を急いでいる時、粉剤を溶いた後で蛍光灯の明かりに透かして、よく混ざったかどうか確認しますよね。あの程度では確認できないのです。溶けたように見えて、実際は溶けていなかったんです。

しかし、問題はまだ残されています。私の時にせよ、K先生の生徒さんの事例にせよ、他の印画紙や生徒さんに被害がなかったのは何故なのか、これは調べる必要があります。

実はこれも程なくして解りました。私の場合、該当する印画紙はフジのWP FM2号、そしてその前後はイルフォードの多階調印画紙。また該当のK先生の生徒さんのフィルムと他の生徒さんのフィルムは違う種類。。。。。もうお解かりですね。

印画紙、フィルム双方に違う物だけど、乳剤層の厚さに違いがあります。乳剤層が薄いものに被害が出ているのでしょう。これで納得です。

粉剤は溶いたら半日寝かすように、とのことはいろんな人から聞き、いろんな書物が解説していますが、具体的にどんな被害に遭うのか、までは解りませんでした。教訓、教訓。

posted by 暗室奉行 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 失敗分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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