2011年01月14日

試し焼きから本番へ・・・あれ???

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写真を長くやっていれば、出展のチャンスは何度かめぐってくるものです。

コンテストであれ共同展であれ、気合が入るのは当然のこと。何日も前からイメージ作り、準備、データ取り、本番といった作業を繰り返すのでしょう。私も何度か経験いたしました。

完全燃焼してベストを尽くした後はグッタリくるんですけど、どうも落ち着かない。なぜか不安になってくる。もう一度、作品を見ると、それまで気にならなかったところが気になってくる・・・・よくある話です。

なので、完全燃焼して終了宣言をしたのはいいけど、いざというときのために印画紙や薬品の予備がないと落ち着かないことがよくあります。で、よく作業終了の時に一枚だけ予備に残しておこう、とします。しかし、いつも思うのは、

(印画紙を一枚だけ残す方が、むしろ中途半端ではないか・・・)

という気持ちなんです。

だって、その一枚を失敗したらどうしようもないでしょう?
なので、安心したいがために2〜3枚残すように努めています。

けども、これで思わぬ失敗をしたことがあります。
それは、この2〜3枚残しておいた印画紙で試し焼きをした時であり、その時は別に何とも思いませんでした。普通に絵柄が出てきましたから。

で、本番プリント。
新しい印画紙の封を切ります。

同じ露光をすれば同じ絵柄が浮かび上がるはずですが・・・・・
・・・・・・・出てこないのです、絵柄が。

一瞬、印画紙の不良を疑いました。正直、ちょっとあせりました。

(何か間違えたかな?)

冷静になって二枚目も同じ条件で露光をかけます。
やはり、絵柄は出てきません。

今度は、データを無視して思い切り濃い目にプリントしてみました。するとちゃんと標準に近い濃度で出てきたのです。同じ種類で同じサイズの印画紙なのになぜ・・・・?

両者で違っていたのは製造年月日とエマルジョンナンバーだけですが。。。
実は、このエマルジョンナンバーの違いはかなり大きいことがあるのです。

特にバライタ。

私が遭遇したのはフジのレンブラントV G2でした。試し焼きをした時の印画紙と本番の時の印画紙との製造年月に差があれば、それも納得いくかな、と思ってみたりしましたが、レンブラント自体がそう古い印画紙ではありません。なのにこの結果です。

極端に古い印画紙を使った場合、よく「風邪をひいたプリント」と言って像がろくに出ないことがありますが、これはよほどのケースだと思っていました。比較的、新しい印画紙同士でこんなケースは初めて経験しました。

意外な結論で大騒ぎしてしまいましたが、実際にあったことです。
posted by 暗室奉行 at 02:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 失敗分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

暗室仲間はどこに?

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暗室作業は楽しそう。
そりゃ楽しいです。
苦しみもあります。
それでも、乗り越える楽しみもあります。

だけど・・・・・・・・

暗室のモノクロにのめり込んでみたい、という人は潜在的にかなり多いことと思います。
引き伸ばし機を手に入れて、暗室環境を確保して、・・・

だけど、趣味として続ける上で一番必要なもの、友達、悩みを共有できる仲間がいないんです。こんな心の声、おそらく皆さんお持ちでしょう。

わかります。

ちょっと、やってみたい気もするけど、続かないだろうなぁ、、、その根底にあるのが仲間がいないことではないでしょうか。

では、どうすれば仲間が出来るのでしょう。まさかアマゾンで仕入れるわけにもいかないし。

私が時折、写真講座で必ず話す中で写真の上達の秘訣の三要素というのがあります。一つは誰よりもたくさんシャッターを切ること、二つ目はたくさんの作品(秀作)を見ること、そして三つ目は自分と同レベル以上の写真仲間を持つこと、というものです。

シャッターを数多く切る、というのは説明するまでもないでしょう。切ったシャッターの数だけ体に染み付いて覚える経験は本で覚える知識よりも数段、腕も考えもアップいたします。

たくさんの作品を見る、というのも数見ているうちに違いがわかってくるということですね。

では三つ目。写真仲間、これは人と話してみて初めて理解できることがあるということ。実はこの部分が一番大きいのです。人との出会いは写真に限らず人生が変わります。知識の吸収だとか、一緒に楽しむというような言葉でひとくくり出来るものではありません。

最近、デジタルの世の中になって写真クラブの内容も変わってまいりました。今でも、デジタルについていけない人はたくさんいます。

それでも最初は「デジタルなんて写真じゃない。」と否定していた人たちも、いつの間にかデジカメ買って、という流れになるのは、仲間が段々いなくなるからでしょう。そうなれば、寂しいですから苦労してでも覚えたくもなります。

ところで、暗室モノクロ写真はもっとメジャーになってもいいのに、と私は前々から思っていました。写真の中でも中毒性が高く、楽しい世界なのは間違いありません。なのに、以前から少数派民族なのは仲間作りの環境がカラーやデジタルの世界ほど整っていないからだと想像するのですが、いかがでしょう。

こんな話をすれば、昭和40年代を連想してしまいますが、写真一枚を肴に一杯やりながら延々議論を交わした先輩方をうらやましく思ってしまいます。思えば、そういった人たちに場を提供し、面倒を見てきた優良なカメラ専門店は今、次々と姿を消していきつつあるのが実情です。つらいですね。

デジタルにせよ、フィルム写真にせよ、カラーの世界ならカルチャー教室もありますし、比較的に手軽な為、仲間も見つけやすいでしょう。しかし暗室モノクロ組はコアであり、カルチャーなどの陽のあたらない分野です。確かに大学のサマースクールなどのワークショップはあるものの、言ってみれば「習い事」の域を出るわけではありません。

では、暗室モノクロ組が仲間と出会える方法は、、、、それはギャラリーなどでお知り合いになる方法があります。銀塩モノクロの写真展をギャラリー情報で仕入れて見に行き、趣向の合う人なら話しかける、この方法が一番手っ取り早い気がいたします。写真展だって、多くの共感者を求めるために開催するのでしょうから。

実は、私が「暗室奉行」などと名乗ってこんなサイトを立ち上げたのも、この部分を何とかしたかったからなのです。やってみたいけど無知なままだと相手にされないかもしれないから、と考える人たちのために一役買いたかった、、、。

中毒性の高い写真趣味、暗室モノクロ写真。されど、どれほど知識があっても、どれほど立派な機材をそろえても、仲間のいない環境には勝てません。

量販店でもアマゾンでも決して買うことの出来ない「仲間」「友達」。
今後、暗室モノクロ写真を目指す方が最も大切にしなければならないテーマでしょう。

タグ:仲間 友達
posted by 暗室奉行 at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 暗室について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月12日

原因不明の白点

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あれはちょうど今日のような、冬の寒い日の出来事でした。

印画紙現像液の性格を調べるためにパートナーと一緒に実験を繰り返している時に、それは起こりました。

作業が終わり、片づけをしようと水洗後の写真にスキュィージーをかけ、乾燥させていると、ある特定の絵柄のプリントだけが、一面に白い斑点を帯びているのです。不思議なのはその前後のプリントにはそのような現象が見られないし・・・、おかしなものです。

まず、疑ったのは水洗。サビか何かだろうとしばらく水を流しっぱなしにしていましたが、どうもそれらしき様子はありません。原因がまったくわかりませんでした。

誰に聞いてもいろんな答えが返ってくる為、しばらくは謎のままでした。

そして、その謎もわからないまま数ヶ月が過ぎ、ある高名な写真家の先生K氏から、ある相談を受けたのです。その先生はモノクロのワークショップを主催しているが、このようなことは初めてだ、と切り出し、私にあるネガを見せました。

見るとネガに黒いコールタールのような斑点がいっぱい散らばっており、現像した本人もショックを受けているとの事でした。

先生の話では、その生徒さんの前後にも同じ作業をした方が数名いて、その方々のネガはなんともなかったとの事、何が起こったのでしょう。。。。。。

こういう時、メーカーに聞いても大概は納得のいく返事は返ってきません。クレームを恐れてのことでしょうが、「恐らく・・・・でしょう」的な回答がほとんどです。まぁ、もともとアテにしていませんから。

で、私は自分の持つネットワークに数度、確認したら、ほぼこれで間違いない、という結果が出ました。しかも、私が暗室で実験していた時と同じ原因だったのです。

実は、私が印画紙現像をした時、そしてK氏の生徒さんがフィルム現像をした時、ともに薬品は粉剤で、しかも溶いてから時間がほとんど経っていないものでした。つまり、液が安定しないまま使われたのです。

K先生に確認したら、やはりその生徒さんの時は新液を溶いた直後だったとのことでした。私が鑑定を依頼したH氏によれば、預かったネガをプリントしてみたら、かなり濃度がのっていて1号でプリントしても肉乗りがすごく、しかも濃度にバラツキがあるとのことでした。うーん、納得。

現像を急いでいる時、粉剤を溶いた後で蛍光灯の明かりに透かして、よく混ざったかどうか確認しますよね。あの程度では確認できないのです。溶けたように見えて、実際は溶けていなかったんです。

しかし、問題はまだ残されています。私の時にせよ、K先生の生徒さんの事例にせよ、他の印画紙や生徒さんに被害がなかったのは何故なのか、これは調べる必要があります。

実はこれも程なくして解りました。私の場合、該当する印画紙はフジのWP FM2号、そしてその前後はイルフォードの多階調印画紙。また該当のK先生の生徒さんのフィルムと他の生徒さんのフィルムは違う種類。。。。。もうお解かりですね。

印画紙、フィルム双方に違う物だけど、乳剤層の厚さに違いがあります。乳剤層が薄いものに被害が出ているのでしょう。これで納得です。

粉剤は溶いたら半日寝かすように、とのことはいろんな人から聞き、いろんな書物が解説していますが、具体的にどんな被害に遭うのか、までは解りませんでした。教訓、教訓。

posted by 暗室奉行 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 失敗分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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